非破壊検査「放射線透過試験(RT)」とは?|用途や特徴を解説!
■非破壊検査「放射線透過試験(RT)」とは?
放射線透過試験(RT)は、物体の内部を壊さずに検査する方法です。
この検査では、X線やγ線を使って対象物を透過させ、その結果を画像として記録します。これにより、内部の異常を視覚的に把握できるため、品質管理やメンテナンスの現場では非常に重要な役割を果たしています。
放射線透過試験の原理
放射線透過試験は、対象物に放射線を照射し、その透過具合を画像として記録する技術です。X線やγ線を使用し、対象物を通過した放射線の量の違いを感知します。
もし内部に欠陥があれば、放射線が異常部分で減少し、その影響が画像に現れます。これにより、溶接部のきずなどの不具合を目で確認することができます。
X線とγ線の違いと使い分け
X線とγ線は、放射線透過試験で使用される放射線ですが、それぞれに特徴があります。
X線:比較的低エネルギーの放射線で、主に薄い金属や部品の検査に使われます。高精度で小さな欠陥を見つけるのに適しています。
γ線:高エネルギーの放射線で、透過力が強く、厚い金属や大型の対象物にも対応できます。大きな設備や構造物の検査に適しています。
それぞれの特性を理解し、状況に応じて使い分けることで、より正確な検査結果を得ることができます。
■放射線透過試験はどんな場面で使われる?
放射線透過試験は、内部の欠陥を確認するために、配管工事や製造業、インフラ保全などさまざまな現場で広く使われています。
この検査を使うことで、設備や配管、溶接部などの内部状態を壊さずに確認できるため、品質管理や保全作業において非常に重要です。
さらに、安全性を重視しつつ、コストや作業効率も考慮した検査方法として、他の非破壊検査方法(例:超音波探傷試験や渦流検査)と併用されることが多いです。
溶接部の内部欠陥の確認
溶接部は製造やメンテナンス中に欠陥が発生しやすく、定期的な検査が重要です。放射線透過試験を使用することで、溶接部の内部に隠れた亀裂や空洞、未融合部分などの欠陥を目視で確認できます。これにより、事故や不具合を未然に防ぐことができ、安全性と品質を確保するのに役立ちます。
配管の内部状態の確認
配管内部の腐食や減肉、詰まりなどの欠陥を確認するために放射線透過試験が利用されます。配管内部は目で確認できないため、放射線透過試験を使うことで、外からはわからない内部の状態を詳しく把握できます。例えば、石油化学プラントや発電所の配管では、長期間使用することで腐食が進行することがあります。放射線透過試験を使えば、配管が劣化しているかどうかを事前に検出し、必要な修理や交換を迅速に行うことができます。
放射線透過試験で確認しやすい欠陥・確認しにくい欠陥
確認しやすい欠陥
溶接部の亀裂:溶接部は亀裂が入りやすく、放射線透過試験ではこの亀裂を画像として鮮明に捉えることができます。
空洞やブローホール:金属部品に発生する空洞やブローホールは、放射線透過試験で非常に良く確認できる欠陥です。
減肉や腐食:配管や設備内部の腐食や減肉の進行状況は、放射線透過試験で視覚的に捉えることができ、早期発見に役立ちます。
確認しにくい欠陥
表面の小さな傷:放射線透過試験は内部の欠陥を検出するのに適していますが、表面にある小さな傷やひび割れは見逃されることがあります。
材料の均質性に関する問題:放射線透過試験では、材料の厚みや密度に関する情報は得られますが、均質性の問題や微細な欠陥を検出するには限界があります。
■放射線透過試験の特長
内部の状態を画像で把握しやすい
放射線透過試験の最大の特長は、内部の状態を画像で簡単に把握できることです。
放射線を使って対象物を透過させ、その画像を解析することで、内部に隠れた欠陥を視覚的に確認できます。
検査結果を記録・共有しやすい
検査結果はデジタルデータとして保存・共有できます。検査後に得られた画像やデータは管理・保存でき、後で確認や参照が必要な際に素早く確認できます。
これにより、品質管理や保全作業の効率が向上し、複数の作業チームや関係者と簡単に情報を共有できます。
金属・非金属など幅広い対象に適用しやすい
鉄鋼、アルミニウム、銅などの金属に加えて、プラスチックやセラミックなどの非金属にも使用できます。これにより、さまざまな業界や製品の検査に対応できる柔軟性を持っています。複雑な形状や大きなサイズのものでも、透過試験を行うことで内部状態を正確に確認できます。
配管工事の品質確認や保全判断に活用しやすい
配管内部の欠陥を非破壊で発見できるため、工事中や定期的な点検時に欠陥を早期に発見できます。放射線透過試験を使えば、設備を停止させずに効率的に検査でき、必要な修理や交換のタイミングを把握できます。
■放射線透過試験を実施する前に押さえたい注意点
放射線を扱うため、適切な安全管理が必要
安全に放射線を扱うための管理体制が不可欠です。放射線は高エネルギーを持つため、誤った取り扱いは人体に害を与える可能性があります。資格を持った担当者が実施し、作業区域を隔離して放射線量を監視することが求められます。
材質・厚み・形状によって検査の難易度が変わる
対象物の材質や厚み、形状によって難易度が変わります。例えば、厚い金属や複雑な形状の対象物では、検査が難しくなるため、より強い放射線や特別な検出装置が必要となります。
現場条件によっては実施が難しいケースがある
稼働中の設備や広範囲の検査が必要な場合、または周囲に放射線が影響を与える可能性がある場合、放射線透過試験の実施が難しいことがあります。現場の状況を事前に確認し、最適な検査方法を選ぶことが重要です。
■よくある質問
放射線透過試験は安全に実施できますか?
はい、放射線透過試験は適切な安全管理のもとで実施されます。作業は資格を持つ専門家が行い、放射線量を監視し、作業区域を隔離して防護措置を徹底しますので、周囲の人々に影響がないよう管理されます。
検査にはどれくらい時間がかかりますか?
検査時間は、対象物のサイズや複雑さ、検査範囲によって異なりますが、基本的には数時間から数日間で完了します。
簡単な部品や配管の検査であれば数時間で終わることもありますが、大規模な設備や長い配管の検査は、時間がかかることがあります。
稼働中の設備・配管でも相談できますか?
稼働中の設備や配管でも放射線透過試験を実施できます。ただし、稼働中の場合は調整が必要な場合がありますので、具体的な状況に応じた最適な検査方法を提案いたします。
費用はどのような条件で変わりますか?
放射線透過試験の費用は、対象物の材質、厚み、検査範囲、使用する装置、難易度によって異なります。事前に現場条件を確認し、お見積もりをお伝えしますので、ご相談ください。
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